年賀状神像シリーズ。
今年は戌年なのですが、意外と犬の神様ってのが少ないんですよね。
で、今年は神様外して桃太郎でも描くかあ、と思って偶然見つけたのがこのお方。
新山の鬼『温羅』を倒した神話上の英雄で、桃太郎のモデルともいわれる
軍神吉備津彦命(きびつのひこのみこと)、その第一の家臣こそこの
犬飼部犬飼健命(いぬかいべのいぬかいたけるのみこと)なのです。
彼には猿飼部楽々森彦命、鳥飼部留玉臣という同僚がいて、それが
それぞれ童話桃太郎のイヌ、サル、キジに変化した、とのこと。
色々な方から「コレ、桃太郎?」「犬は?」などと言われるのですが(汗)
彼自身が犬の象徴であり、桃のマークはあくまで部隊章だと思ってください。
いっそのこと犬耳にでもしたほうがわかりやすかったですかね〜。
彼は神話時代の人物なので、本来は美豆良に頸珠、みたいなのが正解
なのでしょうが、今回はむしろ桃太郎風に武士方向に振ってみました。
構図、色彩等は北斎の武者絵「渡辺の源吾綱」の完パクです。
上人物の右肩部分のディティールが良くわからなくてテキトーに描いたのですが
後から見るとここは下人物の足でして、仕方がないので名前札で隠し気味に。
勇ましく鬼の首をとらん!とする様子が描かれていますが、神話上では
温羅を討ち取ったのはもちろん犬飼健命ではなく吉備津彦命。
彼自身は、討ち取った鬼の首を犬に喰わせる係、という微妙な役回りです。
ちなみに彼は犬養氏の始祖で政治家・犬養毅の祖先なのだとか。
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