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我々の目的は、「宗教」でも「イデオロギー」でも、「科学」や「哲学」的成果ですらない。 全人類の昇華化による既成の価値観全ての浄化が我々の最終目的である。 故に、時として我々の行動の一部は、現代社会の規範においては「悪」とされる事もあろう。 だが同士諸君にとってはすでに明らかなように、我々の大義に基づく行動は あらゆる現社会的規範、否、旧社会的規範に優先されるものである。 我々の行動理念は、既に国家による法律・規則等を遥かに超越した存在である事を銘記せよ。 同士諸君の健闘に期待する所、大である。 |
霧雨はかなり勢いを増してきたが、リョーマの夢心地に水を差すことはできなかった。 (勝った…マジ、勝ったんだ!練習試合とはいえ、あの川崎北FCに! しかもあの三点目、シュートを決めた中岡クン以上にオレのアシストを褒めてくれた… あの、おっそろしいまさコーチがだぜ!) その男達が彼の周りに立ちはだかった時もまだ、リョーマの顔には充実感に彩られた笑顔が貼りついていた。 「リョーマくん…だね?」 若い男の笑顔にはまだ少年っぽいあどけなさが残っていたが、幼いリョーマの目から見れば、十分一人前の大人に見える。 「試合、見てたよ…僕達、君のファンになっちゃった」 予想外の褒め言葉に舞い上がりそうになりながらも、リョーマは何とかそれを押し留めた。 「…ど、どうも、ありがとう…」 「どうですか?いいでしょう、この少年!」 「ウム…」 「これ程の『幼生』はなかなか見つかりませんよ、小隊長殿…全ての特異性が我々の目的に合致しています」 男達の表情はあくまで柔和だったが、彼らの醸し出す不審なムードに、リョーマは子供ながらに得体の知れない不安を感じはじめていた。 「君と、もっとサッカーの話がしたいな…。どうだい?お兄さんの家に遊びに来ないか…?」 その瞬間、少年の不安は警戒に切り替わった。 「オレ、もう帰らなくちゃ…失礼します!」 駆け出そうとした時、リョーマの小さな両肩を大きな男の手のひらが掴んだ! その手を振り払おうとした少年が恐怖の悲鳴を上げる! 振り払うべき手のひらが、そこになかったのだ! 男たちは彼を取り囲んだまま一歩も動かず、それぞれの姿勢と表情でリョーマを見つめている。 それなのにリョーマは、かなりの力で肩を押さえつけられているように一歩も動けない… 「いいだろう、竜胆(りんどう)…少し、反応を見てみたい」 小隊長の言葉に、若い男は満足そうな笑みを浮かべて頷き、左の拳を啓く。 そこから弾き出された小さな光る玉(オーブ)が、リョーマのユニフォームを引き裂きはじめた…。 >Let's play the game !! |
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